2009年3月31日火曜日

音が良くないとき

クラシックなどをBOSEで聞いていて「ちょっと音が良くないな」と感じることがある。録音が悪い。こういうCDは、超ワイドレンジを誇る他社のピュアオーディオ・システムで聞いても、ほとんど改善されない。BOSEで聞いて音が悪いCDは、他社の高級システムで聞いてもやはりダメなのであった。

ネットでは、「BOSEはクラシックに不向き」という書き込みを見かけるが、そんなことはない。普通にちゃんと聞けるし、違和感もない。BOSEは、低音がやたら強調されてブーミーな印象があるが、これが低音の痩せたクラシックの場合、まことに具合が良いのである。

BOSEは、ちゃんと、クラシックを聞くことを考えて設計されている。パソコン用のスピーカーは別として、一般のオーディオ用スピーカーは、オーケストラも室内楽もうまくこなす。値段以上の音がしていることは間違いない。

それにしても、CDは、本当に音が良いのか?
時代がLPからCDに移行したとき、「これでほぼ完璧な音になった」と思い込んだものだが、耳が肥えてくると、CDの音も粗いものであることがわかる。録音自体が良くないCDとも結構出合った。

意外と音が良いのはFM放送である。これはアナログだし、CDと比べるとレンジも狭いのであるが、それでも耳にピタッとくる音である。聴覚が最も敏感な周波数帯域が充実しているのであろう。スペックの数値より、実際に聞いてどうかということが重要だ。

音がイマイチのCDでもBOSEのスピーカーで聞くと、ある程度音が補正され、それなりにアラが隠れる。巷のいわゆる“ピュアオーディオ派”は、録音されたままの補正されない音を求めるのであるが、それで良いことは一つもない。粗い音を鑑賞して何が楽しい?

私は、ピュアオーディオ派とか、オーディオマニアの言うことをあまり信じてはいない。彼らが良いと主張するシステムを試聴しても、あまり良くなかったから。◎&Wとか、高音が耳に辛く、とても長い時間聞いていられるものではなかった。あんな音に何百万円もかけるのはナンセンスだ。

今、世界の音の標準はBOSEにある、と思う。この音に満足できないオーディオマニアは、遅かれ早かれ、オーディオ地獄に陥り、あれこれ高価なアクセサリーを買い漁って、生活費の大半を無意味なオーディオにつぎ込むことになるのである。生活を共にしている家族も大迷惑である。

BOSEで満足することが音楽的にもオーディオ的にも正しいのだ。個人の好みもあるが80%の人はBOSEの音に満足するはずだ。

アコースティックウェーブミュージックシステムII

2009年3月25日水曜日

モーツァルトの愉快な悲しみ

モーツァルトの音楽は、なんでいつもあんなに微笑んでるんだろう。

まるで光の子が、愉快にはしゃぎながら、駆け抜けていくようだ。

交響曲「プラハ」のように、いつも、ワクワクしていたいな。

でも、モーツァルト自身は、あの音楽ほど、幸福に輝いていたわけではあるまい。

晩年には、人生に暗い影が差す。

にもかかわらず、最後の交響曲「ジュピター」には、そのような暗さがまったくない。

最終楽章は、まるで天界にいるかのようである。

彼の耳は、天界にあったのか?

彼はフリーメーソンの主要なメンバーだった。

彼の人生の暗さは、音楽のどこに表現されているのだろう?

晩年のクラリネット協奏曲やピアノ協奏曲の中にそれを少しだけ見ることができる。

ある短い何小節かで、弦楽器がものすごく綺麗な和声を奏でる瞬間がある。モーツァルトの涙とでも言うべき瞬間…

--綺麗!綺麗過ぎる。そして、綺麗過ぎて悲しいのだ。

綺麗過ぎるもの、美しすぎるものは、常に独特の悲しさを帯びている。

その異様な美しさは、かえって恐ろしいくらいだ。

その瞬間が過ぎれば、またもとの曲調に戻るが、見てはいけないものを見てしまった私にとって、曲の始まりの時のようにワクワクすることは、もう出来ないのである。

悲しみを暗い旋律ではなく、美の極致で表現できるモーツァルトは、やはり光の子なのであろう。

今も私の脳裏には、「プラハ」の第一楽章が、快活なリズムを刻んでいるのである。

2009年3月16日月曜日

夜のジャズピアノ

春の兆しを感じる夜。街灯は夜霧に包まれて淡く輝く。

そんな夜には静かなジャズピアノにオンザロック、そしてレーズンバターを少し。

美術画廊で買ったばかりの油絵には、まだテレピン油のにおいが残っている。
闇に舞う一匹の蝶。孤独な画家の魂。漆黒の中に浮かんだ花びらに、まさに止まらんとして、時間は凍結している。

そこに共感を覚えた私もまた孤独な蝶なのであろう。

グラスの氷が溶け、琥珀色の液体をクリスタルに染める頃、私はまどろみ、魂は無限の闇へと落ちて行く。

闇の中に、一輪の花を目指して…。

BOSEサウンドは、常にあなたとともに・・・